スタッフブログブログ

若者のすべて

みなさんこんにちは、スタッフの川眞田です。
すっかりご無沙汰してしまっていたブログですが、今日からまた少しずつ更新していきたいと思います。
とりとめのない内容が多いのですが、お時間と心に余裕のあるときにはどうぞお付き合いください。

ブログをお休みしていた夏の終わり頃、
フジファブリックというバンドが2007年にリリースした「若者のすべて」という曲が、
教育芸術者が刊行する高校音楽の教科書に掲載されるとの発表がありました。
きっとたくさんいるであろう同曲のファンのひとりである私にとっても、とても嬉しいニュースでした。
この知らせを聞いときは、フジファブリックというバンドを取り巻くいろいろな出来事や、
自分の人生の記憶とともにあるいろいろな音楽が一気に溢れ出してくるような感覚になりました。


音楽は記憶とセット
フジファブリックの楽曲にはたくさん好きなものがありますが、個人的にはこの「若者のすべて」と
「茜色の夕日」が特別に大切な曲で、今も時々ふと思い出しては聴いています。
(※どちらもフジファブリックの公式YouTubeチャンネルにアップされています!)

音楽って不思議だなぁと思うのは、ある音楽を聴くとその曲をよく聴いていた時期の出来事や心情がセットになって
思い出されることです。
「この曲聞くと部活のこと思い出すなぁ」とか、「あのとき辛くてこればっかり聴いてたなぁ」という曲がある方は
きっと少なくないのではないでしょうか。ドラマとか映画も主題歌とセットで覚えていることが多いので、
曲を聴くとその作品の中のワンシーンを思い出す、なんてこともあるし、クリスマスやお正月、バレンタインなんかの
シーズンイベントが思い出される曲もありますね。
竹内まりやさんの「すてきなホリデイ」とかベートーヴェンの「第九」、Perfumeの「チョコレイト・ディスコ」
などなど、もっと上げられるかもしれません。
音楽と記憶の密接さには覚えのある方も多いと思うのですが、この辺りの研究をしている方っているのでしょうか。
いたらぜひ関連性の秘密を知りたいものです。


音楽は「瞬間芸術」
当たり前のことですが、音楽には形がありません。
音楽を作るための道具や構成を記録したもの(楽譜)は有形ですが、
それを奏でる技術や作品(楽曲)は形として目で確かめることはできませんよね。
また、現在のように録音技術が発達するまでは生演奏が基本で、全く同じ作品(演奏)を
再現することができないことから、音楽や演劇などは「瞬間芸術」と呼ばれたりもしたそうです。
音楽は時間も場所も限定された、その瞬間だけに存在しているものだったんですね。
なんだかとても贅沢な感じがします。

今はいつでもどこでも何度でも好きな音楽を聴くことができますが、
じゃあ音楽の希少性や価値が低くなったかというと、私はそんなことはないと思っています。
例えば、先ほども触れたようにある記憶と音楽がセットになることがあれば
その楽曲はその人だけの特別な意味を持つものになるし(しかも形がないので誰にも奪われたり邪魔されたりしません)、
録音・配信技術が発達したからこそライブ会場で聴く一発勝負の音楽はますます価値が高まっています。


聴かず嫌いはもったいない
音楽に関して私がちょっとだけ心残りなのは、その年齢の時でないと心に響かない音楽というものがあると思っていて、
そのタイミングを逃してしまったジャンルがあることです。

これは一概には言えないのですが、例えばものすごくハードで爆音!シャウト!破壊!みたいなロックは、
ちょっと落ち着きたい年齢になってから聴き始めてもうるさく感じられてしまってあまり魅力を理解できません。
でも思い返してみると、高校生とか大学生の時に周囲にはそういう音楽をどんどん聞いている同年代の人たちがいて、
彼らはそういう音楽をうるさいとか一切思っておらず、その音楽が持つ衝動性や荒削りなサウンド、
率直な歌詞を若い人にしかないみずみずしい感性でしっかり感じ取っていました。
また、枠にとらわれない新しいジャンルの音楽も、成熟するまでの未熟な時期にしかない特有の魅力があって、
それを楽しめる年齢にはなんとなくの上限があるように思うんです(あくまで私の場合は、ですが)。

今はサブスクで、国も時代も超えた様々な曲を聞くことができる時代です。
テレビやネットで流行っているものだけが音楽ではないので、そういう音楽はつまらないなと思っている方は、
ぜひいろんな曲をとにかく手当たりしだい聴き漁ってみて欲しいです。
今のあなただからこそ響く、一生大切にできる曲に出会えるかもしれません。
そして、その音楽を聴きながら今の自分が感じていることや考えていることに、
少しの時間でもいいので注意を向けてみてください。
今あなたが感じていることや考えていることは、それが瞬間的に現れて消えていくものでも、
あなたの根っこにずっと残っていくものでも、なんにしても本当にとても貴重です。
音楽をおともに、そういった自分の感覚をじっくりと味わってみてください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です