LIFE STYLE TIPS!スタッフブログブログ

見たいものだけ見ているわたしたち

(↑写真は我が家の愛猫のろいろちゃんです。2歳。眠すぎて目つきが…!)

こんにちは、再びスタッフの川眞田です。すでに夏バテ気味ですがみなさんはいかがお過ごしでしょうか。

街中の景色がなんだか変わった。でも具体的にどこがどう変わったのかわからない。
多くの人が一度は体験したことのある現象だと思います。
私は特に、ビルや家屋が解体されたらしい更地を見て、確かに何かがあったのは確実なんだけど
それが何であったか全く思い出せない、ということがよくあります。
正確にいうと思い出せないのではなく「そもそも見ていなかった」から覚えていないわけで、
「何があったかな」と考えても思い出せるはずがないんですよね。
一方で、自分が足繁く通ったお店とか思い出のある建物とかが取り壊されると、
更地になって別の建物が立った後もその場での思い出と一緒に思い返すくらい、強く記憶に残っています。

記憶力の問題かなぁとぼんやり思っていたのですが、
田村由美さんの『ミステリと云う勿れ』(来年の年明けにドラマ化されるそうですね!祝!)という漫画の中で
同じようなフレーズが出てきて、これはもしや面白い発見があるのでは?と思って調べてみたところ、
該当しそうな「選択的注意」という現象を見つけました。

「選択的注意」とは、たくさんの情報があふれている場面ではその中から重要と思われる情報を「選択」して、
意識を向ける(=注意する)現象のことで、特定の情報に目を向けることと、
それ以外の情報を無視するという2つの機能から成り立っているとのこと。
私たちの生活では目や耳から入る情報量が本当に膨大で、それら全てをキャッチしていると脳がパンクしてしまう。
そこで、自分に必要な情報だけをキャッチできるように脳が発達したことでこれらの機能を備えるにいたったそうです。
「部屋に置かれているものを覚えて!」と言われても混乱するけど、「赤いものを探して」と言われると
赤いものが他のものよりも浮き出て見えて見つけやすくなったりしますよね。

これの聴覚版とも言える機能は「カクテルパーティ効果」と呼ばれていて、
例えば人が大勢集まっている場所でも自分の名前を呼ばれるとそれをはっきりと聞き取ることができる、
といったような現象がよく挙げられます。

こういうのって豆知識として知っておくだけでも十分な楽しい知識だと思うのですが、
せっかくならば勉強とか、読書なんかの時に使ってみると実感も湧いてとてもいいと思います。
勉強する時になんとなく問題を解くのではなくて、例えば「今日は解法を完璧に覚えよう」とか、
「出てくる言葉の意味を理解しよう」とか、身に付けたいことをしっかり決めてから問題に向き合う。
もしくは、「どんな文法が使われているかな?」とか、「この単元では何を学ばせようとしているのか?」など、
これから勉強する自分に対して質問を決めておいて、その質問の答えを探すような感覚でテキストを解き始めるのも
いいと思います。

そういえばオープンキャンパスに行った時(もう遥か昔ですが)、
心理学を専門にされている先生が模擬授業をしてくださって、
「心理学というと、雑誌とかによくある『心理学テスト』みたいなものを想像して入ってくる学生さんもいるのだけど、
実際は工学分野の先生と一緒に人の認知機能に基づいた製品開発のための研究とかもしているんですよ」
というようなことをおっしゃっていた(うろ覚えですが)ことがなぜか強く記憶に残っています。
私は心理分野には進みませんでしたが、人は自分自身についてしっかり自覚があるように思っていても、
実際には脳の仕組みや様々な機能で無自覚に選択させられていることもあるんだなぁと、
つい買ってしまった「◯◯大賞受賞!」と書かれた金色のシールがついたお菓子を眺めながら思い出しました
(←※受賞歴や有名人の証言を掲載することで説得力を持たせる『ハロー効果』といいます)。

それではまた!

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