お知らせブログ塾長のつぶやき

学習塾の役割はコミュニティ創出である

先日、「いい塾探しドットコム」さんに取材をしていただきました!
こちらのリンクからご覧いただけますので、お時間許す方はご一読いただけますと幸いです(instagramに移動します)。

取材の際、塾を開いた目的などについてお話ししていて改めて感じたことがありました。
それは学習塾の役割が、とにかく高い偏差値の学校に進学するための場所から、
家庭でも学校でもない第三の場所として、様々な意味で生徒様の「居場所」として変化しつつあるのではないか
ということです。

成績は上げて当然というのが学習塾経営者である私の矜持でありました(いまでもその考えは変わっていません)ので、
ご入塾される生徒様やその保護者のみなさんも当然それを目的にされているのだと思っていました。
実際のところ、半数以上の生徒様と保護者様がより高い目標に向かうために当塾をご利用いただいているので、
私の見立てが間違っているわけではないのです。
ただその一方で、成績向上以外の目的・期待を持って当塾を活用いただく生徒さまが少しずつ増加していることも
事実で、年々、その人数も少しずつ増加しています。

私はこの現状を、塾という場所がひとつのコミュニティ、居場所として機能することを求められている表れなのではないか、と考えはじめました。
(これは私が塾を開く際にひっそりと自分の中でだけ目標にしていたことなので、
本当にそんな場所になれているのならこれ以上嬉しいことはありません!)

日々のちょっとした悩みや困りごとに始まって、進路や少し込み入った相談まで、
本来は相談相手にはなり得にくそうな私や講師陣に意見を求めてくる生徒様によく出会います。
彼らが明確な意図を持ってそうしているのかはわかりませんが、
思春期を迎え自我を確立しようと懸命な彼らが自分だけの価値観を構築しようとしたときに、
家庭や学校などこれまで自分が馴染んできた価値観の領域を抜け、
様々な価値観や考え方に触れてまだ小さな自分の世界を大きく押し広げようとする無意識の自立心が、
私たち講師との対話を求める行動に現れているように感じられるのです。

また、「何となくしんどい」ときを乗り切るための逃避先として当塾をとらえてくれている生徒様も
いらっしゃるようです。
逃避というとあまり良い印象を抱かない方もいらっしゃるかもしれませんが、
そんな時間があるから何とか頑張れるという時期が、誰の人生にもきっとあったのではないでしょうか。

もちろん個人差はありますが、様々なことに悩み苦しむのが思春期というもの。
ただ思春期であるというだけで精神的にハードな日々を過ごしているわけですから、
様々な事情で10代にはとても手に負えないような問題を抱えざるを得なくなったなら、
その苦しさ、生きづらさは想像に難くないのではないでしょうか。
彼らがほんの一瞬でも重たい荷物を下ろせたり、誰にも言えなかったことを吐き出したり。
それが具体的ななにかに繋がる行為ではなかったとしても、その一瞬でまたしばらく世界を泳いでいける力になるならば、
逃避も決して悪いことではないと思っています。

勉強を頑張って自分の場所を切り開く場所であると同時に、
「塾に行くとほっとするんだよね」「話できて楽しかった」といった安心感を与えられる場所でもあれたらいいなと
改めて思いを強くした取材になりました。

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