ブログ塾長のつぶやき

本当は勉強が教えたいわけでない(卒塾生と松尾塾の理念のようなものについて)

とても久しぶりのブログです。

時どき生徒さんやその保護者の方から「ブログ読みました」と声をかけていただく機会があり、
嬉しい反面あまり更新できていないことに申し訳なさを感じていましたが、
受験期間がひと段落してようやくブログに向き合う気持ちの余裕が確保できるようなりました。

先月、当塾の一期生となった受験生全員が合格を果たし、それぞれの新天地へと旅立って行きました。
学習塾ですから、塾生が希望する進路に進むのは塾として当然の責務であり、大きな目標のひとつです。
そういった意味で塾生たちの合格は大変感慨深かったのですが、一方で、私がこの塾を立ち上げるきっかけになった「目的」を果たせたのかどうか、合格発表を聞いた日からずっと考え続けています。

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私(松尾紘司)が松尾塾を立ち上げた目的は、「生徒が勉強を通して、しなやかな自信と自尊心を身に着ける」こと。
そのための環境づくりを徹底したいと思い、前職を離れてこの小さな塾を作りました。

学習塾というと、テストの点数をあげるもの、進学のために通うものという認識の方が多いと思います。
実際、それは学習塾のとても大切な使命のひとつであることは間違いありません。
ただ、私は勉強のさらにその先にある、もしくはその過程で得られる「心の土台」づくりに使命感を感じています。
「知識は誰にも奪われない財産だ」と言われることがありますが、
それ以上に「自信」や「自尊心」は生きていく上でとても大切で、
できれば社会に出る前に身に付けておいてもらいたい武器のようなものだと実感しているからです。

松尾塾には、なんらかの形で学習面での挫折感を味わったことがある(または今その状態にある)
塾生が少なからずいます。これは当塾の塾生に限らず、誰でもが一度は遭遇する通過儀礼のようなもの
ではないでしょうか(もちろん私にもそんな経験があります)。
きっかけは大人から見ると些細にも思えることです。
例えば第一志望の学校に行けなかったとか、勉強ができないとレッテルを貼られたとか。
でも、それは本人にとってとても大きな傷になることがあります。そんな傷をうまく癒すことができないと、
自分で自分を諦めてしまうし、自分を認めることが難しくなったりするものです。

しかし、実際のところ彼ら・彼女らは学習が苦手だったり怠惰だったりしたのでは決してありません。
ただ自信を持つチャンスを得られなかったり、自分を認める場面に恵まれなかっただけです。
だから、周囲の大人たちがほんのちょっとしたきっかけを教えるだけで、
彼ら・彼女らはこちらの想像を遥かに上回るような成長を見せてくれます。
松尾塾はそのきっかけを提示するための手段として学習指導を行っているといっても過言ではありません。
土壌がしっかりしていれば立派な植物が育つように、
彼らが力を十分に発揮するための心の土台(自信、自尊心)を学習を通して身に付けてもらいたいのです。

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さて、今年卒塾して行った生徒たちの心には、どれくらいの栄養が行き渡ったでしょうか。
それが自信や自尊心となって彼ら自身を助けてくれるくらいまで大きく成長していたらと、
祈るような気持ちで彼らを見送りました。

そして、感傷に浸る間もなく新年度が始まりました。
この一年も塾生の中にたくさんの自信を詰め込めるように、一瞬一瞬を大事に真剣に過ごしたいと思います。

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