STUDY TIPS!

「経験記憶法」で効率の良い暗記を!

みなさん、暗記は好きですか?得意ですか?
そう聞かれて自信をもって好きだと答えられる人は少ないでしょう。

かくいう私も暗記は大の苦手な学生時代を過ごしてきました。
今は生徒さんに暗記法についてお伝えすることも多いですが、たくさんの生徒さんと接する中で暗記法に正解や王道はないということを強く実感するようになりました。向き・不向きがあるので「これが絶対!」というものはありません。

そんな風に個人差があることをふまえた上で、一般的な暗記法として知られているものを簡単にご紹介したいと思います。以下の3つが代表的なものです。
1) 五感を使う:耳栓をし、音読しながら、ノートに書き、目で追う=聴覚・触覚・視覚の活用
2) 寝る前に暗記をし、朝起きて復習をする:睡眠中に短期記憶から長期記憶へと変える脳構造の活用
3) 朝起きたとき、スキマ時間で復習をする:エビングハウスの忘却曲線の理論に基づいた「反復法」の活用

これらは確かに理に適っており、効果を発揮します。
ただ、小中学生に勧めるのにはいささか抵抗があります。大学生や社会人のSPIや資格試験の勉強では効果的な方法かもしれませんが、学習習慣が身についていない生徒さんの成績を効率よく上げるためには不向きな方法論だと言わざるを得ません。
では、どのように暗記を進めれば良いのでしょうか。
私が担当ふる生徒さんに実践し、授業の理解スピードと暗記スピードを上げているやり方をご紹介します。
それは「経験記憶法」です。

人間の記憶の種類を大別すると「知識記憶」と「経験記憶」に大別されます。読んで字のごとく、知識記憶とは単調な知識の詰め込みを指し、経験記憶とは実際に自分が経験した事柄を指します。どちらが記憶に残りやすいかといえば、もちろん経験記憶です。

例えば、ドラマで俳優が恋愛している擬似的なストーリーを見るのと、自分が胸を高鳴らせたり苦しんだり恋愛した経験だと、長期的に頭に残るのは実際に体験したほうです。 これを勉強にも応用してしまえばいいのです。
具体的にどんなときに記憶が長期記憶として定着するかというと、感情が大きく揺さぶられたときがチャンスなのです。とても嬉しいとき、幸せなとき、はたまた悔しい思いをしたとき、つらいとき、感情が揺れ動いた時の経験は色濃く記憶に残るものです。

ここで、私が受験生の頃のお話をさせてください。 中学3年生の頃のことです。英語の授業で先生に当てられて「be interested in の意味は?」と聞かれ答えられませんでした。恥ずかしながら当時の私はそんなことすら知らなかったのです。クラスには笑いすら起こることがなく、「あいつ、マジか・・・」という空気が漂い、とても気恥ずかしい思いをしました。その日以来、英単語と英熟語だけは必死で暗記をしました。そのモチベーションと集中力を保てたのは忌々しい経験があったからなのです。 
次は高校3年生の頃のことです。古典文法が非常に苦手で、当時の私は助動詞の活用表すら覚えられていませんでした。当時、高校の古典の先生にダミ声が特徴的な先生がいて、モノマネが得意な友人が休み時間に大きな声でモノマネをして皆を笑わせていました。毎日のように涙を流すほど笑って友人のモノマネを聞いているうちに、いつの間にかすべて暗唱できるようになっていました(塾講師となった今でも、脳内では友人のダミ声で再生されます)。

この2つの経験をもとに「経験記憶法」を用いて授業を行っています。 BTSが好きな女子生徒さんには単語カードにメンバーの画像を貼り付けて「今日はジミンに書いてある単語を覚えてね。明日はシュガのカードを覚えてね。」と言い渡しておくと1週間で100語は平気で暗記してきます。好きな気持ちが強ければ強いほど暗記も捗るのでしょう。 歴史が極端に苦手な男子生徒さんには、あえて数学の授業中に「江戸幕府が大名統制のために制定した基本法って何だっけ?」と突然問いかけて感情を揺さぶります。すると、その時は答えられなかったとしても、翌週の授業で「江戸幕府が・・・」と話し始めると「武家諸法度!」と元気に答えてくれます。 こういったやり方で長期記憶がひとつずつ増えていきます。

遠回りで時間がかかるやり方であるため、一人でやるのは難しいかもしれません。しかし、友人や家族と楽しみながら着実に暗記を重ねることで飛躍的に点数は上がります。とりわけ、理科・社会の暗記単元では短期間で成績アップが図れます。 ちょっとした工夫で効率よく、そして楽しく勉強するためのご提案でした。

(塾長:松尾)

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